カテゴリ:拝啓。( 4 )

もうひとつの空。

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 智恵子は東京に空が無いという

 ほんとの空が見たいという

 私は驚いて空を見る

 桜若葉の間に在るのは 切っても切れない むかしなじみのきれいな空だ
 どんよりけむる地平のぼかしは うすもも色の朝のしめりだ

 智恵子は遠くを見ながら言う

 阿多多羅山の山の上に 毎日出ている青い空が 智恵子のほんとの空だという

 あどけない空の話である。

                                         word:高村光太郎 
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by arujiyanon | 2009-01-21 01:12 | 拝啓。

放浪カモメはどこまでも。

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少しでも高い所に登りたがるのは、僕らに共通した変な習慣。

焚き火の周りでそのまま寝てしまうのも、
人の飲み物を勝手に飲み干して、笑いながら謝るのも、
自電車に乗るといつのまにか競争になってしまうのも、
当たり前になってから何年経っただろう。

今でもお互いの近況を気にしながら、
年に何回か顔をつき合わせて笑うことができるのは、
共に過ごした時間を、それぞれが大切に思っているから。

特別な出来事の多かった今年の暮れに
これまでの事、これからの事を考えていた。

寒風が吹きつける冬のテトラの上でひとしきり笑った後、
放浪カモメの様な仲間達は、みな同じような視線で海を見ていた。

今過ごしているこの時間も、
これまでの事になることを寂しいと思う反面、少し嬉しかったりもした。

きっと僕らは、何年経っても、同じように笑うことが出来る。

広がった互いの世界を持ち寄って、今日の様に笑いあうことが出来ると思ったから。
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by arujiyanon | 2006-12-11 01:00 | 拝啓。

拝啓、風のような男。

何かをやり遂げたいとか、
こうしていたいんだ、とか
自分でしたいことをはっきりと自覚している人間とって、
僕が気にしてしまう様な問題は、
ベルリンの壁みたいに、派手に壊してナンボのものなのだ。

北の国でリバーガイドしてた、探検部時代の仲間が帰ってきた。

慣れ親しんだ東京を、
停留所みたいな感覚で通り過ぎてゆく。

そんな正直な生き方に伴う痛みを、
たまにさりげなく漏らすもんだから、
だたカッコイイだけでは
片付けられない重みをもった背中。

僕が一年単位で考えることを、
彼は10年単位で考え、

今現在流れる時間の価値を、
自分に与えられた残り時間として受け止める。
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そうした姿勢を目の当たりにすると、
口に出して形にしたりしないでも
一生を通じてどのような人間になりたいのか
なんとなく見ててわかるんだ。

難しい漢字読めないとか、
おつむが足りないとか、
お前、狂牛病なんじゃないの、とか

結構、好き勝手言わせてもらってるけど

実はホントに、悔しかったりするんだぞ。
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by arujiyanon | 2006-03-26 02:00 | 拝啓。

拝啓、幸せ配達人。

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引き続き、2次会。

ピエロが笑いを運んできた。

子供たち、ピエロに釘付け。
ついでながら、大人も釘付け。

小さなミスなら、
それすらも笑いに変えてしまう腕前に、
会場からは歓声と溜息。

そうして全力でやり切ったエンターテイメントの最後を
赤鼻のピエロは帽子をとって、
チャップリンの様な、イカしたお辞儀で締め括った。

すると、汗で乱れた髪の毛が露になり、
少しの間、ピエロの仮面が外れて。
そこにいたのは、気持ちよさそうな一人の人間。

ピエロに徹するには、
ツメが甘かったのかもしれないけど。

その全力を出し切った表情こそが
あの時のあの場所に、ちょっとした感動を生んだんですよね。

新郎のお父さんが、
アナタにお土産持たせた理由が、僕には良く分かります。
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by arujiyanon | 2006-03-17 00:10 | 拝啓。